
洗練されたオリックス生命
Bフェットが言っていることは、現代の金融に関する学問が教えていることと、まったく同じなのです。
私はスタンフォード大学のビジネスースクールで、2人の教授から「金融」を学びました。
1990年にノーベル経済学賞を受賞したウイリアムーSャープ教授と、Bフェットの友人となったシャッターMドナルド教授です。
Sャープ教授は、市場は効率的であると考え、Mドナルド教授は、市場には非効率な部分もありうると考えました。
立場の違う2人の教授ですが、どちらも「株式の本来の価値」については、Bフェットと同じように考えているのです。
Bフェットの投資手法をファンダメンタル主義と言う人もいますが、要は、彼は、学校で教えている「金融」の理論を実践しているだけと見ることもできそうです。
Bフェットは、スクリーン上で株式市況を見ることもなく、株価のチャート分析もしません。
投資しようとする株を発行している「会社」のアニュアルーレポート(年次報告書)を取り寄せて、読みあさり、その会社が何で儲けているのか、会社の収益構造を理解します。その会社の将来の収益、キャッシユーフローを予想し、「本来の価値」を見極めていくのです。
「きちんと分析すれば金持ちになれる」との信念を持ち、若い頃からずっと同じことを続けてきました。
75歳になる今も同じように、分厚い書類と格闘しながら投資候補先の分析を続けています。
自分で納得しない限り、Bフェットはけっして投資をしないのです。
実際、2000年に向けて、巷でインターネットの株式がもてはやされた時のことです。
Bフェットは、「よく分からない」という理由で、一切、手をつけませんでした。
彼は、ネットバブルの崩壊に際して比較的無傷でいられた数少ない投資家の1人です。
このことが「Bフェット神話」をますます轟かせることになりました。
AMEX、Wルド.Dズニー、Cコーラ、Wポスト。
これらは、Bフェットが、その「本質的価値」に着目し、株価が安い頃から投資を行ない、長期間保有してきた銘柄です。
Bフェットは投資先をパートナーとして考え、投資先と一緒になって成長してきました。
「値上がりを期待して差額を儲けようとするのは投機である」とBフェットは言っています。
彼は、「価値」に「投資」をし、「潜在成長力」に期待しました。
したがって彼の投資は、基本的にすべて「長期保有」になっています。
興味深いことに、この「長期保有」も、また、金融に関する多くの教科書が教えるところのものです。
またしてもBフェットは、「教科書の忠実な実行者」であったのです。
実際、長期間にわたる保有を前提とすれば、株式投資が他の投資を上回るリターンを上げることは、多くの実証研究が示すところとなっています。
Sャープ教授の教科書にも出てきますが、1926年から1975年までの50年間、米国債は、平均すれば、年2.3%の利回りを達成しました。
一方で社債は、年3.九%、株式は年1〜4%を達成しています。
一口に、1926年から1975年までの50年間といっても、米国では20年代の好況期と29年の大恐慌、第二次世界大戦など、この間に、さまざまなことが起きました。
1931年には、米国の株式投資は、マイナス四3.3%のリターン(損失)となり、人々は、「株は永遠に上がることはない」と考えました。
このような時期も含めて、50年間という長期で見ますと、株式投資の有利性は、他の投資対象に比して圧倒的です。
Bシャー社のアニユアルーレポートには、1964年から2004年にかけての40年間にわたる、米国の代表的な株価指数S&P500の運用利回りが載っています。
これによると、この間、S&P500は、53倍に値上がりしたことが分かります。
Bシャー社の驚異的な二870倍には遠く及びませんが、それでも株式市場の平均で、年率10%(複利ベース)のリターンを上げえたことがわかります。
長期間持てば、株式投資はこのように魅力ある投資なのです。
このことを逆の視点から考えてみましょう。
仮に株式投資が国債の利回り以上のリターンを上げられないとします。
このような社会では、投資家は、リスクの高い株式に投資することが合理的でなくなります。
企業や個人は、事業に投資することをやめ、単に国債に投資するだけになってしまいます。
このことはすなわち、企業活動の側に、しかるべきリターンが期待できる投資案件がなくなってしまったことになります。
いわゆる成長しない経済、衰退する経済です。
そのような経済活動の上に乗っかっている国家財政も、健全性が危惧されてきます。
そのような経済の下では、不動産価格の上昇も考えにくくなります。
現金、国債、社債、不動産、株式各々の投資対象は、実体経済の上では、密接に関連しあっています。
市場主義経済の下では、基本的には、これらの投資対象は、リスクとリターンの関係で、合理的に関連づけられています。
すなわち、リスクの高いものほど、リターンが大きいのです。
企業が不振に陥り、倒産の瀬戸際に至った時、残ったお金で、最初に救済されるのは、債権者であって、株主ではありません。
企業の清算過程では、債権者にすべて金が支払われた後で、初めて株主に余ったお金が配分されていきます。
株式はその性質上、債券よりもリスクが高いのです。
したがって、リターンも高いことが期待されているのです。
もし、株式のリターンのほうが債券より低いのであれば、リスクの高い株式に投資するのは、合理的でなくなってしまいます。
「金融」は、あなたを金持ちにするかIこのことを見る上で、われわれは、世界の大富豪、Bフェットの投資手法に着目してきました。
Bフェットは、コロンビア大学のビジネスースクール在学中にグレアム教授から、「株式の本来の価値」を見て投資することを学び、以降、実戦の場で応用してきました。
また彼はスタンフォード大学ビジネスースクールにもクストースピーカーとして頻繁に参加し、学生たちと積極的に意見を交換してきました。
Bフェットが投資理論を学び、その後も影響を受け続けたビジネスースクールとは、いったいどういうところなのでしょうか。
ここで、簡単に見ておきましょう。
ビジネスースクールは、ロー・スクール(法科大学院)や、メディカルースクール(医学大学院)と同じように、4年制の大学(学部)を卒業した後に進む「大学院」です。
1年で卒業できるところもありますが、Hバードやスタンフォードなどの有名校は、どこも2年のコースです。
ビジネスースクールを卒業して、MBA(経営学修士)を取得します。
最近は、学部を卒業して、いきなりビジネスースクールに進むのは難しくなってきており、入学に際しては、何年かの職業経験を求められることが多くなってきているようです。高い学費を払ってまでして、ビジネスースクールに行く価値はあるのでしょうか。
むしろ、2年間、職場で実戦経験を積んだほうが、能力が磨かれるのではないでしょうか。
多くの若者が悩むところです。
私白身、米国の投資銀行で働いていた際、同じ職場の若い人たちから何度も同じ相談を受けました。
読者の皆さんの中にも、同じように迷っている方がいるかもしれません。
は、個人個人が判断していくべきことですが、Hバード、スタンフォード、ウォートン、シカゴ、Nウェスタンなどの著名なビジネスースクールは、教授陣も優秀で、カリキュラムもしっかりしています。
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